不動産のはなし⑧【実話】工場派遣から3年で店長へ

【実話】工場派遣から3年で店長へ。

未経験の私が不動産営業で突き抜けたシンプルな方法

「今の仕事、このままでいいのだろうか…」

かつての私がそうであったように、漠然とした不安を抱えている方もいるかもしれません。

現在は小さな不動産会社を経営していますが、私のキャリアのスタートは、不動産とは全く無縁の工場での派遣社員でした。

今日は、27歳で未経験の不動産業界に飛び込み、お客様に「頼りない」と言われた私が、悔しさをバネにがむしゃらに走り抜け、3年で一つの店の店長を任されるまでになった話をしたいと思います。

すべての始まりは27歳、未経験からの挑戦

27歳のとき、私はそれまで勤めていた工場を辞める決意をしました。そして、当時関西圏だけで100店舗ほど展開していた不動産会社に、全くの未経験で飛び込んだのです。

ただ、無謀な挑戦ではありませんでした。転職の2年ほど前から、来る日も来る日もビジネス書を読み漁り、様々な資格取得に励む毎日。その中で、当時の「宅地建物取引主任者試験」を受験し、幸いにも一発で合格することができました。

「資格があれば、きっとうまくいくはずだ」

そんな淡い期待を胸に、「試験合格者」という肩書で入社したのです。

理想と現実のギャップ。初契約で味わった”人生で一番の悔しさ”

しかし、現実は甘くありませんでした。

入社から3ヶ月。ようやく訪れた初契約のチャンス。もちろん、先輩が隣でフォローしてくれている状態です。契約はなんとか成立したものの、その時のお客様の不安そうな顔と、私に投げかけられた**「頼りない」「頼りないと」**という言葉は、今でも鮮明に覚えています。

知識はあるはずなのに、お客様を不安にさせてしまった。資格だけではダメなんだ。

その事実が、本当に、本当に悔しかった。この日の悔しさは、私の営業マン人生の原点になりました。

私が変えたこと、そして貫いたこと

その日から、私の働き方は一変しました。

経験が乏しい自分に何ができるか。答えはシンプルでした。

  • とにかく、先輩の3倍は働く。

  • 先輩の話し方、提案、立ち居振る舞い、すべてを盗んで自分の経験値に変える。

お客様とのやり取りを想定したシミュレーションや、過去の事例研究(ケーススタディ)も、誰よりも時間をかけて行いました。そこから、お客様一人ひとりの状況や想いを深く理解し、一つの答えに固執しない多角的な提案を組み立てる訓練を重ねたのです。

そして、技術や知識以上に大切にしたマインドセットがあります。

それはまず、何事に対しても固定概念を持たないこと。 未経験だからこそ、業界の「当たり前」を疑い、常にお客様にとっての最善は何かをゼロベースで考え続けました。

それに加えて、貫き通した信念が2つあります。

  1. 何があっても、誠実であること。

  2. 誰よりも、不動産を好きになること。

「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、これは真理だと思います。自分が扱う商品を心から好きになり、お客様の幸せを誠実に願う。小手先のテクニックではない、この姿勢こそが信頼に繋がると信じていました。

変化、そして新たなステージへ

当時は、まだまだコンプライアンスという言葉が浸透していない業界でした。しかし幸運なことに、私は人間関係に恵まれ、素晴らしい店長や先輩方の下で働くことができました。

がむしゃらな努力と、大切にしていた信念。それが少しずつ実を結び始めたのか、入社から1年が過ぎる頃には、社内で少し注目される存在になっていました。

成績がすべての会社でしたから、多くの同僚が辞めていく厳しい環境でした。しかし、あの日の悔しさを胸に走り続け、気づけば入社から3年ほどで、一つの店を任される立場になっていたのです。

まとめ

振り返れば、特別なことをしたわけではありません。

目の前の仕事に誠実に向き合い、誰よりもその仕事を好きになろうと努力する。そして、少しの悔しさをバネにする。

もし今、あなたが何か新しいことに挑戦しようとしていたり、壁にぶつかっていたりするなら、このシンプルな原則が、きっと道を切り拓く力になってくれると信じています。

この記事が、誰かの一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

まだまだ私の経験談が多くあります。折を見て経験談もブログにしていけたらと思っていますので、また読みに来ていただけると嬉しいです。

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