不動産のはなし⑤【こんな土地売れませんよね】

 

「こんな土地売れませんよね」

-担当者の一言が不動産売却を台無しにする深刻な理由

とある住宅地で、土地の売却を依頼された不動産会社の担当者が「こんな土地売れませんよね」と口にしたという話。これは、売主にとって驚愕すべき事態であり、不動産売買の現場で決してあってはならない深刻な問題を浮き彫りにしています。大切な資産の売却を託した担当者からこのような言葉が出た場合、その売却活動が成功する可能性は著しく低いと言わざるを得ません。

担当者の「やる気」が売却の成否を分ける

不動産売却は、物件の良し悪しだけで決まるわけではありません。担当する不動産会社の営業担当者の「やる気」や「販売戦略」が極めて重要な要素となります。今回のケースのように、担当者が最初から「売れない」と決めつけている場合、以下のような悪循環に陥る危険性があります。

  • 積極的な販売活動の欠如: 「売れない」という思い込みは、広告の工夫や顧客への積極的なアプローチを妨げます。物件の魅力を最大限に引き出し、買い手を探し出すという本来の業務が疎かになるのです。

  • 買い手へのマイナスイメージの伝播: 担当者の消極的な態度は、内覧などで買い手にも伝わります。「この物件は何か問題があるのではないか」という不信感を抱かせ、成約の機会を逃すことにつながります。

  • 売主との信頼関係の崩壊: 何よりも、売主の期待を裏切る行為です。信頼関係がなければ、売却戦略の相談や価格交渉など、売却活動における重要なコミュニケーションが成り立ちません。

なぜ担当者は「売れない」と口にしたのか?

もちろん、不動産のプロとして「売りにくい」と感じる物件は存在します。しかし、それを直接売主に「売れない」と断言することは、プロフェッショナルとして失格と言えるでしょう。その背景には、担当者や不動産会社側のいくつかの事情が考えられます。

  • 能力・経験不足: 担当者自身に、売りにくい物件を売るための知識や経験、販売戦略を練る能力が欠けている可能性があります。

  • 自社に有利な取引への誘導: 仲介での売却が難しいと印象付けることで、相場より安い価格での「買取」に誘導しようという意図が隠れているケースも考えられます。

  • 単なるモチベーションの低さ: 担当者個人の仕事に対する意欲が低く、困難な案件に真摯に取り組む姿勢がない場合もあります。

残念な担当者に出会ってしまった場合の対処法

もし、ご自身の担当者が売却に消極的であると感じた場合は、泣き寝入りする必要はありません。以下の様な対処法を検討しましょう。

  1. 担当者の変更を申し出る: まずは、その不動産会社の責任者に事情を説明し、担当者の変更を要求するのが有効です。会社として適切な対応がなされるかどうかも、その不動産会社を見極めるポイントになります。

  2. 媒介契約の見直し・解除: 担当者を変えても改善が見られない場合や、会社全体に不信感を抱いた場合は、媒介契約の期間満了を待って他社に切り替えるか、契約内容によっては中途解約も検討しましょう。

  3. 複数の不動産会社に相談する: 一社の意見を鵜呑みにせず、複数の不動産会社に査定を依頼し、各社の販売戦略や担当者の対応を比較検討することが、良いパートナーを見つけるための鍵となります。

良い担当者の見極め方

不動産売却の成功は、信頼できる担当者との出会いにかかっていると言っても過言ではありません。良い担当者を見極めるためには、以下のような点に注意しましょう。

  • レスポンスの速さと丁寧さ: 問い合わせや質問に対して、迅速かつ丁寧に対応してくれるか。

  • 具体的な販売戦略の提示: 物件の長所と短所を客観的に分析し、具体的な販売活動の計画を提示してくれるか。

  • デメリットも正直に説明する誠実さ: 売却におけるリスクやデメリットについても、包み隠さず説明してくれるか。

  • 売主の希望に真摯に耳を傾ける姿勢: 売主の想いや希望を丁寧にヒアリングし、それに寄り添った提案をしてくれるか。

大切な資産である不動産の売却は、決して担当者任せにしてはいけません。売主自身も積極的に情報収集を行い、信頼できるパートナーを見極めることが、満足のいく売却を実現するための第一歩となるのです。冒頭のような残念な一言に遭遇した際は、臆することなく、毅然とした態度でご自身の資産を守るための行動を起こしましょう。

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