不動産のはなし⑥【外国人の土地取得について、地域の不動産屋が思うこと】

外国人の土地取得について、地域の不動産屋が思うこと

【差別ではなく区別】


近年、メディアやインターネットで「外国人の土地取得」について、様々な意見が交わされているのを目にします。当地域でも、永住権をお持ちの外国人の方に土地や戸建てをご購入いただく機会が、年に1〜2件ほどございます。この10年間を振り返っても、10組以上の外国人のお客様に、新しいお住まいを提供させていただきました。

「外国人の土地取得」と聞くと、少し不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、当社がお取引をさせていただいたお客様に関しては、これまで大きなトラブルや近隣への迷惑行為といった問題は一切なく、地域の皆様とも良好な関係を築いていらっしゃいます。

もちろん、田舎ならではの文化や習慣の違いから、些細な行き違いや誤解が生じることもあります。しかし、それはお互いのコミュニケーションを通じて乗り越えられるものです。大切なのは、お互いを理解しようとする姿勢だと感じています。

円滑な取引と地域との共存のために

当社では、お客様が日本人か外国人かに関わらず、すべての方に安心して暮らしていただくため、そして地域コミュニティとの調和を図るために、一定のルールを設けさせていただいております。

  • 円滑なコミュニケーションが取れること

    • 日本語での意思疎通が可能なこと。難しい場合は、信頼できる通訳の方を介していただくこと。

  • 交渉のルールを守っていただくこと

    • ご購入の意思と資金計画が明確な状態で、交渉に臨んでいただくこと。

  • 地域コミュニティへのご理解とご協力

    • 地域の自治会やその活動についてご理解いただき、積極的にご参加いただくこと。

これらのルールは、外国人の方を排除するためのものでは決してありません。健全で公正な不動産取引を行い、お客様が購入後に地域の一員として、円満な生活を送っていただくために不可欠なものだと考えています。

誠実なお取引が難しいと判断する場合

一方で、大変心苦しいのですが、以下のようなケースではお取引をお断りすることがございます。

  • 通訳の方が頻繁に変わる

    • お客様との直接の信頼関係が築きにくく、中には通訳を装ったブローカーが介在しているケースも考えられるためです。

  • 交渉のルールを守っていただけない

    • 資金の目処が立っていないにも関わらず交渉を進めようとしたり、市場価格から著しくかけ離れた価格を一方的に要求されたりする場合です。

これらの基準は、日本人のお客様にも全く同じように適用させていただいております。

目先の利益だけを追い求めれば、どのようなお客様とでも取引をする不動産会社もあるかもしれません。しかし、私たちはこの地域に根差し、お客様と地域の皆様との「これから」を大切にしたいと考えています。

これは「差別」ではなく、健全なコミュニティと不動産取引の秩序を守るための「区別」です。私たちは、これからもこの姿勢を貫き、買主様、売主様、そして地域の皆様、三方にとって良いお取引を心がけてまいります。

コメント

人気の投稿